|
相続人の間で話し合いを行い、スムーズに分割できることが望ましいことと言えますが、必ずしもそうはならないこともあるのが現実です。
相続人それぞれの家庭の事情であったり、故人との親密度などの違いによって相続する財産やその割合について納得いかないといったこともあるでしょう。場合によっては、いわゆる「骨肉の争い」に発展してしまうこともあるでしょう。
遺産分割協議は、相続人全員の同意が必要であり、誰か一人であっても同意できない場合には分割することはできません。
法定相続人だけではなく、遺言による受贈者がいる場合や相続分の譲渡を受けた人がいるような場合には特に話し合いがうまくいかないといったことが多くなるかもしれません。
テレビドラマや小説の世界では「出るところに出て決着を…」と言った言葉が出てきますが、実際にはどのように対処したら良いのでしょうか。
あくまでも相続人間や、その他の親族が仲裁する中で解決できれば良いのでしょうが、それでも解決できない場合には家庭裁判所に「調停」を申し立てることになります。
いきなり相手方を訴える(裁判を起こす)ということではなく、必ず「調停」からのスタートとなります。
「調停」とは、裁判官と調停委員で構成される調停委員会が公平中立な立場で、当事者双方の主張を聞き、解決案や解決のためのアドバイスをしてくれるものです。
それでも話し合いがまとまらず、解決できない(調停不成立)場合は、自動的に「審判手続」が開始されることになります。
審判では遺産の種類や性質、各相続人の年齢や職業、心身の状態や生活状況その他様々な事情を考慮した上で審判を下すことになります。
家庭裁判所で下された審判には強制力があり、例え納得いかないという場合であってもこれに従わなければなりません。(刑事事件等の控訴と同様に家事事件では即時抗告という制度があります) |
|
≪遺産分割調停(審判)の流れ≫
◆必要書類の取寄せ
↓
◆申立て書類の作成と提出
↓
◆調停 ※当事者が呼ばれそれぞれの事情などについて聞き取りを行います
↓
↓ ※調停が成立すれば、調停案に従って遺産分割を行います
◇調停不成立
↓
◆審判に移行 ※調停不成立の場合には自動的に審判手続きになります
↓
◆審判 ※審判には強制力があります
≪申立てに必要な書類≫
・被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の住民票又は戸籍附票
・遺産に関する証明書(不動産登記事項証明書、預貯金通帳の写し等)
※代襲相続人がいる場合や、第二、第三順位の相続人がいる場合には必要な戸籍が異なります
≪申立てに必要な費用≫
・収入印紙 1200円分
・郵便切手 申立てをする家庭裁判所に確認して下さい |
|
|
※各種情報はできるかぎり最新の事項を掲載しておりますが、実際にお手続をされる際にはあらためて関係機関にご確認下さいますようお願い致します。また、こちらに記載の情報を基にお客様ご自身がお手続きされた際に生じたトラブル、損失等に関して弊社は一切関知致しませんのでご了承下さい。 |