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【1.相続の基礎知識】 -27.推定相続人の排除とは? |
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将来自分の相続人になる予定の者(推定相続人)に対して、相続する権利を消失させることを「推定相続人の排除」と呼びます。
例えば、虐待や侮辱等を行った息子に対して「財産を相続させたくない」と考えた際などに行います。
相続欠格は欠格事由に該当する者が自動的に相続権を失いますが、「排除」の場合には家庭裁判所の審判によって排除を認められなければなりません。
排除することができる事由としては (1)被相続人に対する虐待や重大な侮辱を加えたこと
(2)その他の著しい非行があったこと
といった要件が定められていますが、実際に排除が認められるかどうかについては裁判所の判断となるため、虐待や侮辱、非行の程度によって判断が分かれます。
家庭裁判所が廃除を認める審判を下したり、廃除を認める調停が成立した場合、その推定相続人は相続権を失います。
仮に被相続人の死後に審判が下された場合であっても、排除の効力は有効であり、被相続人の死亡時に遡って相続人としての権利を失います。
推定相続人の排除は、遺留分を有する相続人(配偶者、子、直系尊属)が対象となり、遺留分が無い兄弟姉妹については排除の申立てをする必要はありません。
兄弟姉妹に相続させたくない場合であれば、遺言によって「相続を認めない」という事柄を記せば足ります。
尚、相続の排除は申し立てをした被相続人に対する相続権を失うだけで、その他の被相続人に対しての相続人になることは可能です。
例えば、父親から排除された息子であっても、母親の相続人になることはできます。
「推定相続人の排除」は被相続人の意思によって行われるものであり、一度行った「排除」を取り消すことも可能です。定められた期限などはなく、被相続人の自由意思によっていつでも取り消すことができます。
排除の取り消しをする場合は、家庭裁判所に取り消しの請求をしなければなりません。また遺言によって取り消すことも可能です。
但し、遺言によって排除の取り消しを行う場合には遺言執行人が家庭裁判所に対して取り消しを請求しなければなりません。
家庭裁判所の審判によって排除の取り消しが決まれば、相続権は回復します。また、被相続人の死後取り消された場合であっても、死亡時に遡って相続人としての地位が回復します。 |
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