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【1.相続の基礎知識】 -15.故人が連帯保証人だったら? |
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故人に多額の債務があり、現金や預貯金などといったプラスの財産を上回ってしまうような場合には「限定承認」や「相続放棄」といった制度を利用することが可能です。
では、直接的な債務ではなく、他人の債務の「連帯保証人」になっていた場合はどうでしょう。
連帯保証債務というのは、主たる債務者に代わって弁済する義務があり、自分が直接お金を借りていなくても、借りた人と同等の責任が発生するものです。
本当の債務者がきちんと返済していれば問題はありませんが、万一返済が滞ってしまったような場合には連帯保証人が返済しなければなりません。
この「連帯保証債務」は相続の対象となります。つまり、故人の連帯保証はその相続人が承継することになるのです。
連帯保証債務は各人の法定相続分に応じた負担となります。例えば、夫が5000万円の連帯保証人となっていて、妻と子ども2人が相続人となる場合、妻が2500万円、子ども2人がそれぞれ1250万円ずつの連帯保証債務を負うということになるのです。
連帯保証があるからといって、「相続放棄」を選択するかどうかは慎重な判断が必要です。
連帯保証債務は、あくまでも主たる債務者が返済できなくなった場合に弁済義務が発生するものであり、順調に返済が行われている場合であれば問題ありません。
もちろん、いつどんな事態が発生するかは予想できませんので、リスクを負うことにはなってしまいます。主たる債務者の返済状況や資産、債務残高などを調査し検討することが大切です。
「相続放棄」をしてしまった場合、故人が遺してくれた全ての財産を手放すことになってしまいますので、仮に故人名義の家に住んでいた場合、住み慣れた家を手放すことになってしまうのです。
特に故人が事業を営んでいた場合などは、会社の借入に対して社長である故人が連帯保証人になっているというケースはよくあります。
事業を継続するために長男が後を継いで社長に就任した場合であっても、その他の相続人も上記のように相続分に応じた連帯保証債務を相続することになってしまいます。
銀行などの債権者に対して連帯保証人の変更をお願いできればよいのですが、なかなか応じてくれないといった場合も多いようです。
故人本人の借入等の場合、遺族もその存在を把握しているケースが多いのですが連帯保証の場合には本人すら忘れていたというようなこともよくあることです。
そのため、遺産分割協議が終了しホッと一安心した矢先に債権者から返済を迫られるといってことも多くなります。
熟慮期間である3ヶ月を過ぎていれば、相続放棄をすることもできませんし、債権者によっては3ヶ月経過するのを待って返済を迫るといったこともあるようです。 |
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