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【1.相続の基礎知識】 -12.相続財産の範囲とは? |
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民法896条[相続の一般的効力]では、『相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を継承する。但し、被相続人の一身に専属したものは、この限りではない。』と規定されています。
しかし実際には「一切の権利義務」に含まれるものと含まれないものを判断することができないことも多いでしょう。
現金や預貯金、不動産や有価証券などは代表的な相続財産です。また、個人が所有していた自動車や貴金属、家具、絵画、骨董品、銃砲刀剣類、果樹立木なども相続財産となります。
さらに、誰かにお金を貸していたといった場合の「金銭債権」も相続財産となりますし、事業を営んでいた場合の「売掛金」も相続財産となります。
次に判断が分かれるものとして「生命保険金」がありますが、これは契約者、被保険者、受取人の関係によって変わります。
例えば、個人が契約者であり被保険者であった場合、受取人が相続人の内の誰か個人であった場合には、受取人固有の権利となるため相続財産には含まれません。
しかし、受取人が故人本人となっている場合や個人名ではなく「相続人」となっていた場合には、相続財産に含めて分割対象財産となります。
但し、受取人として指定されていた相続人が特別な経済的利益を受けたと判断され、「特別受益の持ち戻し」対象となるケースもありますので注意しましょう。
次に故人が在職中に死亡した場合「死亡退職金」を受け取ることがあると思いますが、これは遺族の生活保障という性質のため一般的には相続財産には含まれません。
しかしその会社の支給規定によっては相続財産となる場合もあります。詳しくは【死亡退職金は相続財産か?】のページをご参照ください。
但し、相続税法上は生命保険金及び死亡退職金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。相続人にとって「分割対象の相続財産」になるかどうかという点と、「相続税の対象財産」になるかどうかという点は別問題ですので混同しないようにしましょう。
次に故人の賃貸借権についてですが、例えば賃貸住宅に住んでいた場合、その賃借権は原則として相続されますし、逆に貸していた場合の契約上の地位も相続されます。但し、契約内容によって違いがあるケースもありますので注意しましょう。
故人が交通事故で亡くなったというような場合、病院の費用や慰謝料、逸失利益(生きていれば得られたであろう収入)など、損害賠償を請求することが可能であり、この損害賠償請求権も相続の対象となります。
墓地、墓石、仏壇といった祭祀財産については相続財産とはなりません。被相続人が事前に指定している場合や遺言によって指定した場合にはその人が引き継ぐこととなりますが、指定がない場合には「慣習」に従って継承することとなります。 |
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