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【1.相続の基礎知識】 -38.遺産分割方法あれこれ |
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例えば夫が死亡した場合、配偶者(妻)と子どもが相続人となり法定相続分は配偶者が1/2で、子どもが2名であればそれぞれ1/4ということをご存じの方は多いと思います。
しかし、上記のような割合で必ず相続しなければならないという決まりがあるわけではなく、相続人が自由に分割することが可能です。
母親(配偶者)が全て相続するとしても構いませんし、被相続人が事業を営んでいるような場合、その事業の後継者である長男が事業用財産を含めて多くの財産を相続するとしても構いません。
法定相続分はあくまでも、分割協議がうまくいかなかった場合などにおいて各相続人が権利を主張できる割合ということになります。
具体的な遺産分割の方法としては、「現物分割」「換価分割」「代償分割」「共有分割」など様々な方法があります。
「現物分割」とは、文字通り相続財産について現物を各相続人が相続するという方法です。
例えば、「配偶者は土地と建物と○○銀行の預金」「長男は××銀行の預金と△△株式会社の株式」「次男は□□銀行の預金」などといった分割方法です。
次に「換価分割」というのは、例えば不動産などの売却可能な相続財産を売却し、受け取った代金を相続人が分割するという方法です。
「お金」に換算することにより、価値や分配額が明確になるため公平な分割をすることが可能になりますが、不動産を手放さなければなりませんし売却による譲渡税が発生します。
次に「代償分割」というのは、不動産などを相続人の誰かが単独で相続する代わりに、その他の相続人に対して現金を分配するという方法です。
被相続人が事業を営んでいて、その事業を承継する相続人が事業用財産を相続する場合などに用いられることが多い方法です。
ある程度公平に分割することが可能なためトラブルになる可能性は低くなりますが、不動産などを相続する相続人はその他の相続人に対してお金を分配しなければならないため、相続財産に現金や預貯金が少ない場合などは現金を捻出しなければなりません。
最後に「共有分割」というのは、文字通り各相続人が相続財産を共同で所有・管理するという方法になります。
上記の例では配偶者が1/2、子どもがそれぞれ1/4ずつという持分で共有することになります。
不動産の共有分割の場合、土地を手放すことなく公平に相続することが可能と言えますが、売却や賃貸などをする場合には共有名義人全員の合意が必要になりますので、その後の管理や利用方法についてトラブルとなってしまうことが多くなってしまいます。
また、共有名義人となった相続人が死亡した場合などは更に相続関係が複雑になってしまうようなケースも考えられます。
不動産でも、土地の場合には「文筆」という方法もあります。
文筆とは、一つの土地を複数の土地に分割して別々の土地として登記するという方法ですので、それぞれの相続人が単独で所有者となることが可能になります。
しかし、文筆によって形成された土地の形状によっては評価額が下落してしまうような場合もありますので注意が必要です。
以上のように、遺産分割の方法には様々なものがあり、相続人間でトラブルとならないよう協議することが大切です。
自分が亡くなった後に遺産分割で「相続」が「争続」となってしまう可能性があると感じる方は、生前に遺言を作成するなどして対応することが重要です。 |
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