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「遺族厚生年金」は、厚生年金保険の被保険者中または被保険者であった方が亡くなられたときで、その方によって生計維持されていた遺族がいる場合に受けることができる年金です。
■遺族厚生年金の支給要件
遺族年金は、下記の要件に該当する方が亡くなった場合に支給されます。
(1)被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)
※ただし平成28年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡月の含する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
(2)老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。
(3)1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡したとき。
■遺族厚生年金を受け取れる遺族の範囲
○妻
○子、孫(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者(障害等級1級・2級に該当す
る子の場合は20歳未満であること))
○55歳以上の夫、父母、祖父母(60歳から支給)
※尚、子のある妻、子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者(障害等級1級・2級に該当する子の場合は20歳未満であること))は、同時に遺族基礎年金も受けることができます。
■「遺族厚生年金」の請求方法
最寄りの年金事務所か年金相談センターで手続きを行います。
■請求に必ず必要な書類
1.年金請求書
…上記の窓口に備え付けてあります
2.年金手帳
…紛失などによって提出できない場合は別紙理由書への記載が必要
3.戸籍謄本(全部事項証明書)
…死亡者と請求者の続柄が確認でき、死亡後発行され6ヶ月以内のもの
4.世帯全員の住民票
5.死亡者の住民票の除票(4に含まれる場合は不要です)
6.請求者の収入が確認できる書面(生計維持認定のため)
…所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票等
7.子の収入が確認できる書類(義務教育終了前は不要)
…高等学校等在学中の場合は在学証明書または学生証等
8.死亡診断書等のコピー
9.受取先金融機関の通帳等(請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要)
…カナ氏名、金融機関名、支店番号、口座番号が記載された部分を含む預金通帳または
キャッシュカード(上記がわかる場合はコピーでも可)
10.印鑑(認印で可)
尚、死亡の原因が事件や事故といった「第三者行為」である場合には下記の書類も必要になります。
○第三者行為事故状況届(所定の様式があります)
○交通事故証明または事故が確認できる書類
○確認書(所定の様式があります)
○被害者に被扶養者がいる場合、扶養していたことがわかる書類
(源泉徴収票、健康保険証の写し、学生証の写しなど)
○損害賠償金の算定書(すでに決定済の場合、示談書等受領額がわかるもの)
その他、状況によっては下記の書類が必要になる場合があります。
○年金加入期間確認通知書 …死亡者が共済組合に加入されていた期間があるとき
○年金証書 …他の公的年金から年金を受けているとき
○合算対象期間が確認できる書類(詳細は年金事務所にお問い合わせ下さい)
■遺族厚生年金の支給額(平成24年度)
報酬比例部分の年金額は、下記の(1)の計算式によって算出した額となります。
なお、(1)の式によって算出した額が(2)の計算式によって算出した額を下回る場合には、(2)の計算式によって算出した額が報酬比例部分の年金額になります。
(1)報酬比例部分の年金額 |
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(2)報酬比例部分の年金額(物価スライド特例水準)
(物価スライド特例水準の年金額とは、特例的に平成12年度から平成14年度のマイナス物価スライドを据え置いたものです。) |
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平均標準報酬月額とは、平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で割った金額です。
平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で割った金額(賞与を含めた平均月収)です。尚、これらの計算では、過去の標準報酬月額と標準賞与額には、最近の賃金水準や物価水準で再評価するために「再評価率」を乗じて計算します。
※上記支給要件に記載した(1)及び(3)に基づく遺族厚生年金では、被保険者期間が、300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。
※上記支給要件の(2)に基づく遺族厚生年金の場合、計算式の1000分の7.125及び1000分の5.481(物価スライド特例水準の計算式では1000分の7.5及び1000分の5.769)については、死亡した方の生年月日に応じて経過措置があります。
■遺族厚生年金の中高齢加算
次のいずれかに該当する妻が受ける遺族厚生年金(※)には、妻が40歳から65歳になるまでの間、年額589,900円が加算されます。これを、「中高齢の加算額」といいます。
(1)夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻
(2)遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻(40歳に達した当時、子がいるため遺族基礎年金を受けていた妻に限る。)が、子が18歳到達年度の3月31日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)ため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき。
※長期要件(老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている方が死亡したとき)の事由による遺族厚生年金の場合は、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年(中高齢者の期間短縮の特例などによって20年未満の被保険者期間で老齢厚生年金の受給資格期間を満たした人はその期間)以上の場合に限ります。
■経過的寡婦加算
次のいずれかに該当する場合に遺族厚生年金に加算されます。
(1)昭和31年4月1日以前生まれの妻に65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生したとき(上記(2)の支給要件に基づく場合は、死亡した夫の厚生年金の被保険者期間が20年以上(または40歳以降に15年以上)ある場合に限ります)
(2)中高齢の加算がされていた昭和31年4月1日以前生まれの遺族厚生年金の受給権者である昭和31年4月1日以前生まれの妻が65歳に達したとき
尚、経過的寡婦加算の額は、昭和61年4月1日から60歳に達するまで国民年金に加入した場合の老齢基礎年金の額と合わせると、中高齢の加算の額と同額になるよう決められています。
※年金を含めた社会保障制度は今後も改正されることが考えられますので、最新の制度や各種の要件並びに支給額等は年金事務所や年金相談センターなどでご確認下さい。 |
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