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相続の栞HOME > 【4.相続手続の基礎知識】 目次 > 1.預貯金等の名義変更 > 1.死亡すると口座はどうなる?
≪岩見沢公益社HOME≫
1.相続の基礎知識
2.遺言の基礎知識
3.戸籍の基礎知識
4.相続手続の基礎知識
4-1.預貯金等の名義変更
1- 死亡すると口座はどうなる?
2- 銀行や信金などの手続
3- ゆうちょ銀行の手続
4- 株式を相続する手続
4-2.年金・保険の手続
1- 死亡届と未支給年金受取り
2- 遺族基礎年金を受取る手続
3- 遺族厚生年金を受取る手続
4- 寡婦年金を受取る手続
5- 死亡一時金を受取る手続
6- 健康保険の手続と葬祭費
4-3.不動産関係の手続
1- 不動産の相続登記方法
2- 賃貸不動産を相続する場合
3- 不動産の分割方法あれこれ
4- 手続前に相続人が死亡したら
4-4.税金関係の手続
1- 故人の住民税はどうなる?
2- 準確定申告とは?
3- 相続税の仕組みとは?
4- 相続税の計算方法とは?
5- 相続財産の評価(土地)
6- 相続財産の評価(建物・他)
7- 相続税の税務調査
8- 相続税の納付方法
4-5.その他の手続
1- 生命保険の請求
2- ローンや借金・クレジットカード
3- その他の名義変更
4- 市町村役場での手続一覧
4-6.相続手続の便利帳
1- 相続手続確認表
2- 相続人確認表
3- 相続人名簿と書類確認表
4- 被相続人の戸籍取得確認表
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4.相続手続の基礎知識(目次) 4-1-2 「銀行や信金などの手続」
【4.相続手続の基礎知識】 1-1.死亡すると口座はどうなる?
≪名義人が死亡すると銀行口座はどうなるか?≫
「死亡すると銀行口座が凍結されてしまう」という話しを聞いたことがある方も多いと思います。

確かに、死亡した人の名義の銀行口座などは例え相続人であったとしても、勝手に引き出したり名義を書き換えたりすることはできなくなってしまいます。

しかし、これはあくまでも銀行などの金融機関が「死亡の事実を知った時」に行われる措置であり、その事実を把握しない限りは預金を引き出したりすることはもちろん、その口座への振り込みも可能ですし、公共料金の引き落としなども通常通り行われることになります。

では、銀行などの金融機関はどのようにして「死亡の事実」を確認するのでしょうか?

これは、遺族からの申し出による場合もありますが、新聞の「おくやみ欄」をもとにして行っている場合もあります。しかし、金融機関側で全ての死亡情報を把握しているわけではありませんし、市町村に届けられた「死亡届」について各金融機関に情報が流れるということもありません。

金融機関によって口座凍結のタイミングや判断には違いがありますので、一概には言えませんが、多くの場合はそのまま預金を引き出すことが可能でしょう。

現在は本人確認が非常に厳しいので、窓口を利用した引き出しや定期預金の解約を遺族がすることは難しいでしょうが、普通預金をキャッシュカードで利用する場合であれば、暗証番号さえ遺族が分かっていればATMで預金を引き出すことは可能です。

但し、窓口で「○○が死亡したので」ということを言ってしまうと、亡くなった方の名義の全口座がすぐに凍結されてしまいますので注意しましょう。また、同一の金融機関であれば全ての支店の口座が同時に凍結されます。

≪なぜ口座を凍結する必要があるのか?≫
例えば、夫を亡くして相続人が妻と子ども2人といったような場合で、円満に相続手続が進むような家庭であれば何の問題もないかもしれませんが、「相続」が「争族」になってしまうようなケースも少なくありません。

「相続人だから」ということだけで、勝手に預金を引き出すことを了解してしまった場合、その他の相続人から「どうして○○に勝手にお金を渡したんだ!」という抗議を受ける可能性もあるのです。そのため、金融機関側で死亡がわかっているという場合には、相続人全員の同意がなければお金を渡さないのです。

≪故人の預金から葬儀費用を工面したい≫
葬儀には何かとお金が必要であり、故人の預金を使って葬儀を行うといった場合も多いと思います。

しかし、故人の預金口座が既に凍結されてしまっている場合には、例え遺族であっても勝手に引き出すことはできません。

本来は、口座名義人が亡くなったと同時に、その預金は法定相続分に応じて相続人のものになると考えられますので、各相続人が自分の相続分の範囲内であれば引き出しが可能という解釈も成り立ちます。しかし、銀行側としては後々トラブルに巻き込まれてしまうことを懸念して、応じてくれないケースが多いようです。

但し、上記のように「葬儀費用のため」という理由であれば、所定の用紙に必要事項等を記入することで応じてくれる金融機関も多いようです。どのような書類が必要になるかは、金融機関によって異なりますのでお問い合わせください。また、その際「葬儀費用の見積書」が求められるような場合もあるようです。

≪凍結されていない口座から預金を引き出す際の注意点≫
口座が凍結されていなければ、キャッシュカードなどを利用して預金を引き出すことは可能です。しかし、相続税の申告が必要なケースの場合には注意しましょう。

仮に残高が5,000万円あったけれど、凍結される前にその内4,000万円を引き出したとしても、相続財産が減ったことにはなりません。その口座分の預金額を残額の1,000万円で申告した場合、明らかな脱税行為となります。

税務署は職権により故人名義の口座情報を金融機関に照会しますので、死亡日以降に預金が移動したことはすぐに把握します。あくまでも相続開始の日(故人の死亡日)の時点での残高が相続財産となりますので注意しましょう。

≪自ら口座凍結をした方が良いケース≫
口座が凍結されてしまうと、引き出しや解約、名義変更をするには非常に手間がかかりますので、凍結されずに引き出してしまった方が良いと考える人も多いと思います。

しかし、中には敢えて凍結すべきといったケースもあります。それは、通帳と印鑑あるいはキャッシュカードを持っている人に勝手に引き出されたくないという場合です。

相続は円満な相続ばかりではなく、「争族」となってしまうこともあるというのが現実です。そのため、相続人間でしっかり話し合いが行われるまで、預金には誰も手を付けられない状態にしておいた方が良いと考える場合には、金融機関に対して名義人が死亡したことを申し出て口座を凍結してもらった方が良いでしょう。

≪口座凍結された場合の注意点≫
取り急ぎ故人の預金を引き出さなくても困らないといった場合であれば、名義変更や解約などの手続は後回しでも良いといったことも多いでしょう。

しかし、その口座が凍結されている場合には注意が必要で、最も気をつけなければならないのは公共料金の自動引き落としをしている場合です。

例えば、ご主人を亡くした後、奥さんがそのままその家に住むといったケースの場合、電気やガス、水道、NHK受信料といった公共料金をはじめ、クレジットやローンの返済などを口座引き落としを利用していた場合、口座が凍結されてしまうと引き落としができなくなってしまいます。

引き落としができなかった場合、その旨の通知が郵送されることになりますが、放っておくと電気を止められてしまったり、延滞利息を請求されたりしますので注意しましょう。

公共料金等については、市町村や電力会社、ガス会社、NTT、NHKなどに連絡をして契約者の変更と引き落とし口座の変更を行いましょう。但し、口座変更手続が完了するには2ヶ月前後かかってしまうような場合もありますので、その間は銀行振込やコンビニ払いなどを利用して支払うことになります。

引き落としとは逆に、年金振込などを受け取っていた場合にも口座が凍結されてしまうと入金処理ができなくなってしまいます。尚、年金については最終的な精算手続き(最後の受け取りから死亡日までの受給分の受け取り)は年金事務所で行います。

≪残高照会と取引記録の開示≫
故人の預金口座の残高を確認する場合は、金融機関に対して「残高証明」の発行を請求します。これは相続人であれば誰でも可能です。通常、相続人であることを証明する戸籍と申請者の印鑑証明と実印があれば発行してくれます。

また、通帳が見つからないといったケースも多いと思いますが、金融機関でその旨を伝えれば、故人名義の口座すべてについて残高証明を発行してくれます。

相続手続が円満に進まないケースの場合、通帳を管理していた相続人がその他の相続人に対して残高やこれまでの取引記録を教えてくれないということもあります。相続財産の総額を教えないまま、遺産分割協議書に署名捺印することを要求するといったケースです。

これまで、残高照会は相続人であれば誰でも請求可能でしたが、取引記録の情報開示については相続人単独では金融機関が応じてくれませんでした。しかし、平成21年1月22日に最高裁で「遺産の預金口座につき、相続人のうち一人からでもその取引記録の開示請求ができる」という判決が出されました。これにより、相続人であれば誰でも単独で取引記録の開示を金融機関に請求できるようになりました。

≪自分の法定相続分を払い戻してもらうことは可能か?≫
預貯金は「可分債権」であり、法律上は口座名義人が死亡したと同時に法定相続人に所有権があり、特段の遺産分割協議をしなくても、相続人がそれぞれの法定相続分に応じて請求できるものとされています。

つまり、1,000万円の預金を被相続人が有していた場合に、妻と子ども2人の計3名が相続人だった場合、妻は500万円、子はそれぞれ250万円ずつを銀行に請求し払い戻してもらうことが可能ということになります。

しかし、実際の金融機関における実務ではこの請求を簡単に受け入れてくれることはありません。なぜならば、実際には遺言が存在していたり、請求した相続人が相続欠格だったり、相続放棄をしているといった場合などもあり、これらの事実を銀行側が把握することは困難です。そのため、法定相続分だからといって簡単に払い戻しに応じてしまうと、後々トラブルに発展してしまう可能性もあるため、そういったリスクを回避するために、相続人全員の署名押印を求めてくるのです。

実務上は上記の通りなのですが、法的には相続人単独でも請求が可能なため「訴訟」(金融機関を相手にした請求の訴えを起こす)によって法定相続分の払い戻し請求をした場合、ほぼ全てのケースで請求が認められることになるでしょう。また、払い戻し請求から実際に支払が行われた日までの間の遅延損害金を受取ることも可能です。

但し、投資信託や国債、定額貯金などについては相続人単独で請求することはできませんので注意しましょう。


尚、金融機関での解約や名義変更手続き方法については【銀行や信金などの手続】【ゆうちょ銀行の手続】及び【株式を相続する手続】のページをご参照ください。
※各種情報はできるかぎり最新の事項を掲載しておりますが、実際にお手続をされる際にはあらためて関係機関にご確認下さいますようお願い致します。また、こちらに記載の情報を基にお客様ご自身がお手続きされた際に生じたトラブル、損失等に関して弊社は一切関知致しませんのでご了承下さい。
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4.相続手続の基礎知識(目次) 4-1-2 「銀行や信金などの手続」
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4.相続手続の基礎知識(目次)
4-1.預貯金等の名義変更
1- 死亡すると口座はどうなる? 2- 銀行や信金などの手続
3- ゆうちょ銀行の手続 4- 株式を相続する手続
4-2.年金・保険関係の手続
1- 死亡届と未支給年金受取り 2- 遺族基礎年金を受取る手続
3- 遺族厚生年金を受取る手続 4- 寡婦年金を受取る手続
5- 死亡一時金を受取る手続 6- 健康保険の手続と葬祭費の受給
4-3.不動産関係の手続
1- 不動産の相続登記方法 2- 賃貸不動産を相続する場合
3- 不動産の分割方法あれこれ 4- 手続前に相続人が死亡したら
4-4.税金関係の手続
1- 故人の住民税はどうなる? 2- 準確定申告とは?
3- 相続税の仕組みとは? 4- 相続税の計算方法とは?
5- 相続財産の評価(土地) 6- 相続財産の評価(建物・他)
7- 相続税の税務調査 8- 相続税の納付方法
4-5.その他の手続
1- 生命保険の請求 2- ローンや借金・クレジットカード
3- その他の名義変更 4- 市町村役場での手続一覧
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1- 相続手続確認表 2- 相続人確認表
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4.相続手続の基礎知識(目次) 4-1-2 「銀行や信金などの手続」
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