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現在、相続手続をはじめとして、様々な申請などで利用している「戸籍」ですが、戸籍と言うのはいつからあるのでしょう?
古くは西暦540年、「日本書紀」に記載されたものが日本最古の戸籍制度とされています。しかし、その頃は全ての国民について把握していたわけではなく、朝鮮半島からの渡来民を管理するためのものであったと考えられています。
その後西暦670年に、それまで各地の豪族が作っていた戸籍に代わって、日本初の全国的な「庚午(こうご)年籍」が作成されましたが、現存するものはなくどの程度まで把握されていたかについては疑問視されているようです。
西暦690年に作られた「庚寅(こういん)年籍」はその後6年に1度作成する出発点となり、家族の名前や年齢、戸主との続柄なども細かく記載されたことにより「課税」のための台帳としての機能を有したようです。
庚寅(こういん)年籍も現存するものはありませんが、2012年太宰府から、次の696年戸籍を作成するための、庚寅年籍以降の異動を記した木簡が出土されました。
江戸時代では、徳川幕府や寺社などが作成した「人別帳」「宗門改帳」「過去帳」等が人民の登記簿として使われていました。
文政8年(1825年)、長州藩で戸籍法が施行され、これが近代戸籍の原点とされています。
慶応4年(1868年)長州藩の戸籍法を参考として、京都府で戸籍仕法が行われました。その後、戸籍を所管する部署はいくつか変遷し、明治4年(1871年)には大蔵省租税寮へ管轄が移りました。国民情報の把握が徴税に直結していることがうかがわれます。
明治4年4月4日に戸籍法が制定され、翌明治5年2月1日に施行され日本初の戸籍制度が開始されました。(明治5年式戸籍) この年の干支が壬申(みずのえさる)だったことから、この戸籍は「壬申戸籍(じんしんこせき)」とも呼ばれています。
戸籍の単位は「戸」で、本籍地は住所地だったので、現在の住民票としての役割も担っていました。しかし、この戸籍には旧身分や犯罪歴、病歴など差別的な事柄も記載されているため、現在は一切閲覧することができません。
当初は全て破棄されたと公表されていましたが、実際には法務局において厳重な封印のもと保管されており、学術的な研究価値が高い資料として公開を求める声もあります。
※詳しくは【明治5年式戸籍(壬申戸籍)】のページをご参照ください。
明治19年(1886年)、省令により戸籍の記載方法が変更になりました。(明治19年式戸籍)本籍地は住所地のままですが、屋敷番から地番に変更され、「除籍制度」が創設されました。
※詳しくは【明治19年式戸籍の見方】のページをご参照ください。
明治31年(1898年)の戸籍法では、戸籍の単位が初めて「家」単位とする戸籍となりました。(明治31年式戸籍)また、戸籍とは別に身分登記簿が創設されました。
※詳しくは【明治31年式戸籍とは?】のページをご参照ください。
大正4年(1915年)、戸籍法が改正され身分登記簿がなくなり、戸籍簿に一本化されました。
※詳しくは【大正4年式戸籍の見方】のページをご参照ください。
昭和23年(1948年)、新憲法のもと新しい戸籍法が施行されました。(昭和23年式戸籍)この様式が平成になって電算化される前の現行戸籍となります。電算化されていない自治体では、現在もこの様式となっています。
※詳しくは【昭和23年式戸籍の見方】のページをご参照ください。
この改正では、これまでの「家」を単位とする戸籍から「夫婦」を単位とする戸籍になり、「戸主」が廃止されて「筆頭者」となりました。また「華族」「士族」「平民」「新平民」などといった身分事項の記載は廃止されました。
法改正は昭和23年でしたが、戦後の混乱期でもあり実際に戸籍簿が改製されたのは昭和32年〜40年でした。
戸籍とは別になりますが、昭和42年(1967年)、住民登録法が改正され住民基本台帳法が施行されたことによって戸籍とつながりを持った住民登録制度が始まりました。
平成6年の戸籍法改正によって戸籍事務の電算化が始まり、コンピュータによる戸籍管理がスタートしました。これまでの縦書きからA4版横書きとなり、現在私たちが利用する形式になりました。
※詳しくは【平成6年式戸籍の見方】のページをご参照ください。
電算化については経費と労力が必要となるため、自治体の財政難といった理由もあり電算化されていない自治体もありますが、徐々に導入が進み平成19年現在の電算化導入率は約80%となっています。 |
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