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普通方式遺言の3つの中で、最も確実性が高いと言われているのが「公正証書遺言」です。
公正証書遺言は公証人が筆記するので、法的あるいは文法的な問題で遺言が無効になってしまう恐れがありません。
また、遺言書の原本は公証役場で保管されるので、紛失してしまったり、変造されてしまうという恐れもありません。
自筆証書遺言や秘密証書遺言を執行するには事前に家庭裁判所で検認の手続をしなければなりませんが、公正証書遺言では検認の必要がありません。 |
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■公正証書遺言作成の流れ |
◆遺言書作成の際に必要な書類を準備します(下記参照)
↓
◆公証役場に直接行くか、公証人に自宅などへ来てもらい作成してもらいます
↓ ※自宅などに来てもらう場合は別途料金が必要になります
↓ ※作成の際には2人以上の証人の立会が必要です
◆作成したものを遺言者と証人が確認し、承認の署名押印をします
↓ ※署名ができない場合には公証人がその理由の付記によって署名に代えることが可能
◆公証人が正規の手続によって作成されたことを付記し署名押印すれば遺言が成立します
↓
◆遺言書の原本は公証役場に保管され、正本と謄本が遺言者に交付されます
口がきけない人が公正証書をする場合には、遺言者は公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を手話通訳など通訳人の通訳によって申述するか又は紙に自ら書いて示すことで口授に代えることができます。(民法第969条の2第1項)
耳が聞こえない人が遺言者又は証人の場合には、公証人が遺言者の『口授』を筆記した内容を通訳人の通訳を介して遺言者又は証人に伝えることで、読み聞かせに代えることができます。(民法第969条の2第2項)
証人については、未成年者、推定相続人、受遺者及びその配偶者並びに直系血族、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇人は証人となることはできません。(民法第974条)。 |
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■公正証書遺言作成に必要な書類等 |
公正証書遺言を作成するためには、下記の書類が必要になりますので、事前に準備しましょう。
・遺言者本人の印鑑登録証明書
・遺言者と相続人の続柄の分かる戸籍謄本
・財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票
・財産の内容が分かる資料(ex.不動産の登記簿謄本・評価証明書など)
また、遺言の内容は事前にしっかり検討し、下書きを作成しておくことが望ましいでしょう。 |
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■公正証書遺言の作成費用 |
自筆証書遺言であれば全く費用を掛けずに作成することが可能なのに対し、公正証書遺言の場合には「公証人手数料」が必要になります。
この手数料は政令で定められた金額で、目的とする財産の価値に応じて変わります。実際の手数料は下表のようになります。また、遺言の場合には下表の手数料の他に「遺言加算」として11,000円が加算されます。 |
目的財産の価値 |
公証人手数料 |
100万円まで |
5,000円 |
200万円まで |
7,000円 |
500万円まで |
11,000円 |
1,000万円まで |
17,000円 |
3,000万円まで |
23,000円 |
5,000万円まで |
29,000円 |
1億円まで |
43,000円 |
1億円以上の場合には以下の金額が加算されます |
1億円を超え、3億円まで(5,000万円ごと) |
13,000円 |
3億円を超え、10億円まで(5,000万円ごと) |
11,000円 |
10億円を超える場合(5,000万円ごと) |
8,000円 |
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手数料の計算方法は、相続人ごとの財産価値に応じた手数料を足したものに遺言加算をするという方法になります。
例えば、8,000万円の資産を妻に6,000万円、長男に2,000万円相続させるという内容の遺言を作成した場合、財産が8,000万円なので43,000円+11,000円とはなりません。
妻の分(6,000万円)に対する手数料が43,000円、長男の分(2,000万円)に対する手数料が23,000円、この合計66,000円に遺言加算の11,000円を加えた合計77,000円が公証人手数料となります。
病気などのため公証役場に出向くことが困難で、自宅などに公証人に来てもらう場合には遺言加算を除いた手数料の1.5倍の金額が基本手数料となります。また、その他に旅費(実費)、日当(1日2万円、4時間まで1万円)がかかります。
その他の費用としては、戸籍を取得する手数料やそのための郵送料などが若干必要になります。 |
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